OASIS@大阪城ホール

 サマソニの熱狂から3ヶ月、あっという間にこの日を迎えた。Oasisジャパンツアーの幕開けは大阪から。座席は前回の単独公演と同じく、アリーナ3列目右寄り、ノエル正面。Coral、Who、RideからStone Rosesといったナンバーが流れるのを聴きながら待つことしばし。19時10分、会場暗転。

 お馴染みのFuckin' 〜が鳴り響く中、悠々とメンバーがステージ上へ。ザック・スターキーのカウント、揺らめくキーボードの数秒の静寂の直後、骨太なアンサンブルがホールに轟く。オープニングは"Turn Up The Sun"。従前のオアシスとは絶妙に異なる進行を見せるこのトラックに続くは、こちらはモロに「オウェイシス」なシンガロング系合唱ナンバー、"Lyla"。周囲を憚らずに唄う歌う。今夜のリアムはMCは少なめだが上機嫌。というよりは行儀が良くなった?従前の「お前等これでも喰らえ!ケッ!」的なふてぶてしさはほとんど感じられず、シャープになった見目も相まって、英国紳士然とした泰然自若のオーラを放っていた。肝心の声はというと、若干声質に変化があるように見えたものの(以前ならダミ声を振り絞っていたところを、巧くボカしていた)、概して安定してよく出ていた。

 一際大きな盛り上がりを見せた"Morning Glory "、"C&A"を経て、タンバリンをアンプに置き去ったリアムがプイと居なくなる。ノエルコーナーだ。いわゆるUK叙情系とは全く違うメロながら、英国の曇天を想起せずにはいられない好トラック"The Importance Of Being Idle"に続き、溢れ出した哀愁の旋律、、、"The Masterplan"だ!それにしてもこうしたスローテンポの楽曲においてザックのドラミングはホントに映える。以前は崩れた色気を感じさせた"Masterplan"が、今夜はカッチリと固められ、引き締まった質感の別物へと化けていた。渋すぎるノエルのプレイに魅せられた後、再び現れたリアムが歌う"Songbird"の軽やかな旋律で飛翔、そしてそして"Acquiesce"!やはりライブではこの曲が無いとダメだと思い知らされる大名曲に興奮。これまたザックのドラミングが爆ぜまくる"Mucky Fingers"から、アウトロの短さが若干気にかかるもののやはり素晴らしい昂揚感を放つ"Champagne Supernova"で恍惚。時を経て未だ褪せぬ輝きを放つ"R'n'R Star"で本編終了。

 鳴り止まぬ拍手と湧き上がる「オウェイシス」コールの中、暗転したステージに再びメンバーが現れる。サマソニでは聴けなかった"Guess God Thinks I'm Abel"に続き、性急なビート弾ける"Meaning Of Soul"へ。そして恐らく会場中誰もが待ち望んでいたピアノの旋律が流れる。"Don't Look Back In Anger"、、、サマソニの奇蹟はやはり再現しなかったものの、何度聴いても素晴らしい曲だ。締めはもはや定番となった"My Generation"。パンキッシュなビートに合わせ、思う存分踊る。踊る。踊る。歌う。拳を突き上げた。

 フジやサマソニで起きた、観客側の爆発的なエネルギーの炸裂・大合唱の再現は無かった。この場所での単独公演でそれを求めるのはさすがに酷だ。どっちが良かったと聞かれれば間違いなく前出のフェスを挙げるけれど、とはいえ負け惜しみではなく今夜は今夜で十分に楽しかったのもまた事実。今度は本国でのライブも経験してみたいなー。

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