BANDSTAND@心斎橋 クラブクアトロ

海外のアーティスト数組をブッキング、知名度は低いもののイキの良い音を鳴らしているバンドのライブを日本で、しかも低価格で!という素晴らしいコンセプトのもと開催されているイベント「BANDSTAND」。第3回目の開催となる今回、初めて大阪公演が決定。ということで参戦。今回のレポはちょっと辛口で。

「Von Iva」
1組目はサンフランシスコの4人組ガールズパンクバンド。うーん、なんだかヌルイ。パンク特有のヒリヒリした感触は皆無。かといってポップでもなく、メロもボーカルも至極平凡。腐敗というのは言い過ぎとしても、音に対する熱情が感じられない演奏だった。

「The Boxer Rebellion」
続いてはポップトーンズからアルバムをリリースしている英4人組。スモークと照明溶け合う会場に、ほの暗いシンセの音色が拡散。間隙をもたせたミドルウエイトのドラミングに、骨太なギターリフが覆いかぶさる。TCTCにも通じるUKギターロックだが、いかんせん弱い。。強烈にフックの効いたメロディーがあるわけでもなく、ボーカルの存在感にも特筆すべきものは感じられない。ユルリとたゆたう暗いメロディから、ファズとディストーションが炸裂する展開の繰り返しに、序盤こそ注意を惹きつけられたものの、最初のインパクトが去ってしまえばマンネリの気だるさが残るのみ。唯一最後から2曲目、原始的なビートのリズム隊とクリアディレイの螺旋、「Inside、、、Outside、、、」とがなるボーカルが絡み合う楽曲での出鱈目な高揚感に救われた気がする。リミッターを取っ払うぐらいの勢いで突き抜けてくれたら面白そうなんだけど。

「Blue Van」
3組目はデンマークからの4人組。アイドルばりの端正なルックスから想像もできんような、ファニーにして熱いロックを展開。1曲目こそハモンドオルガンをフィーチャーしたよくあるガレージロックかと思ったが、豪快な転調を繰り返す次曲でアッサリと頭の中の括りを吹き飛ばされる。60年代の空気を感じるカラフルなメロディの中に、妙にブルージーな土臭さが垣間見える。ツェッペリンのWhole Lotta Loveのカヴァーでもするのかと勘ぐった、笑いと紙一重のシャウトがあるわ、これまた悪ふざけと紙一重のギターパートが現れたりするわと、かなり変。だが面白い。熱い。オルガンの音色が腰から身体を突き動かし、ピッタリと息の合ったバンドアンサンブルが会場の熱気をどんどん膨張させていった。Zutons、Bandits好きな人なんかにオススメできそう。

「The Walkmen」
そしてトリを務めるはNYを拠点に活動する5人組、The Walkmen。「かなり凄い」との噂に違わず、前出バンドがほとんど霞んでしまうほどに強烈なライブを見せてくれた。鍵盤楽器の生み出す幻想的な雰囲気と、80年代ニューウェーヴのリズムが散見されるサウンドは、Interpolにも通じる知的なNYガレージロック。が、このボーカリストの存在感は何だ!?「お前ら俺を見ろ!」的なふてぶてしさ、あらゆるモノを睥睨し、叩き伏せるような力強さ。一瞬にしてフロアを自分たちの音世界へと引き寄せてしまうその不遜な佇まいに、近年稀に見る強烈にパンキッシュなアティチュードを感じた。めちゃくちゃカッコ良い。全身リズムの塊のようなドラムスが激しく律動し、抑制と解放が絶妙の双璧を成すギターが激しく鳴り渡る。性急に駆け抜けるパンキッシュな楽曲から、漆黒のサイケグルーヴ渦巻くカオティックなものまで、文字通りフロアを揺るがせながら一気に展開。いやぁ、ホント凄かった。しかし今日の客層には微妙に受けが悪かったような。。何故?

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