CRIME IN CHOIR@京都 Whoopee's

 柔軟に伸張するファンタジックなプログレサウンドが素晴らしかった2ndアルバムのリリースに合わせ、来日ツアーを敢行したCrime In Choir。京都での公演を観に行って来た。仕事を終え、21時前に会場のWhoopee's着。

 予定より30分ほど押し、21時40分頃にメンバー登場。ステージ左右にキーボード・シンセ、中央前方にギター、後方にドラムスとベースのリズム隊を配し、ダーク・ムーディーなセッションからライブ開始。初っ端は2ndアルバムのタイトルトラックでもある"The Hoop"(たぶん、、、)クネクネと幻惑的なウネリを見せるギターワークと、アグレッシブなドラミングが爆ぜるアッパーなナンバーだ。が、しかし、これはSEのミスか?明らかにベースの出力がデカイ。その分厚い低音の絨毯に、慣用要のシンセ/ローズピアノが埋もれてしまい、ほとんど聴こえない。。耳に届くは這い回るベースラインと荒々しいドラミングが大半で、微かに漏れくるギターリフがかろうじてそこに色づけするような感じ。アルバムにおいては、リズム隊はあくまでもバンドのグルーヴを生み出す黒子的存在であり、ほの暗い昂揚感を沸きあがらせるギターと残忍な童話のような独創的な世界観をブチ噛ますローズ・ピアノがその主役であっただけに、このライブでのアンサンブルにはかなりの違和感。プログレッシブな柔軟性とは対照的に、ゴツイ音塊を叩き出す演奏は、いうなれば完全なロックモード。アルバム中では異彩を放つ8ビートのロッキンナンバー、"Didomonico"がこの晩には最も映えて見えたのもそれを裏付けているような。マラカスやタンバリンを片手に振り振り、(聴こえない)鍵盤楽器を叩き慣らすメンバーを見ていると、(ぶっ飛び感を抑制した)TCTCのライブを観ているような錯覚にも陥った。

 が、終盤に飛び出した、エキゾチックで魅惑的なシンセの響きをメインとした楽曲はやっぱり凄かった。変幻自在の展開はまさに予測不能。エンドレスな音の螺旋に絡め取られる昂揚感もまた格別。何とも言えん不思議な昂揚感だ。50分強の演奏により、終了。イソイソと片付けはじめるバンドに対し、どこからともなく「One More!」の声。引っこ抜いたシールドを片手に困った表情のギタリスト(笑)。やるのかやらないのかどっちつかずな状態の数拍ののち、アンコールで再び"The Hoop"を轟かし、今度こそホントにお終い。どっちかと言えばアルバムの音作りのほうが好みだが、それでも楽しい音に包まれた一晩だった。なお、下記サイトにて東京公演のライブ映像が観れます。
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http://www.valsehot.com/index.htm

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