zOoOoOm@難波 ROCK RIDER

 京都発爆音3ピース、zOoOoOmのライブ。今年もう5回は観てるかも。会場のハコは難波Hatchのすぐ近く、牛角が入ってるビルの地下。出演時間の19時50分を目標に、向かう。20時を少し過ぎたあたりでセッティングが始まる。2基のドラムセットを始め、種々の機器類が狭いステージ上にギッシリと組まれていく。そして20時20分、重い音の粒を弾き出すTOKUHIROのギターにより幕開け。

 直後、NAKASIMAのシャウトが会場を震わせ、I.K.Dの音速ドラムが弾け飛んだ。オープニングは"High Market"。のっけから沸騰、中盤で雷鳴の如くフロアを席捲する圧巻のギターフレーズがテンプルを揺らし、終盤で姿を現す怒涛のツインドラム体制で全身滅多打ち。続いてはアルバム未収の轟音ナンバー。zOoOomというバンドのカオティックな側面を曝け出すような、粗い粒子の爆音が全身に打ちつけてくる。とはいえ前回pipe69で観た演奏と比べると、明らかに今回はメロディ重視のロックモード。来るぞ来るぞとの期待感を裏切らず、続いて飛び出したのは"Wild Coward"!ツェッペリンを思わせる肉厚なギターリフと、身体を骨の髄から突き動かす骨太グル―ヴのドラミングが折り重なり、判別不能なフレーズの呟きから一転、脳天に突き刺さる絶叫をかますNAKASIMAの声が際限なく上昇する昂揚感にトドメを刺す。熱すぎる。さらにさらに、燦然と眩い光を放射するハイハットの洪水と、その光を受け、乱反射させるかの如く煌びやかなフレーズをリフレインするギターがぶつかり、怒涛の終幕へと向かう4曲目(アルバム未収)、「ジャム」というよりは「殴り合い」と形容したくなるような、ギターとドラムの衝突が膨大な熱量を放出していった終曲にかけての狂熱のグルーヴはまさしく絶品。轟音の中、TOKUHIROの「ありがとう!」と叫ぶ声により本日のライブ終了。

 30分強の演奏に物足りなさを覚えないと言えば嘘になるけれど、今日の演奏は今年観た中で選曲、音響ともにベスト。次はエターナルズの対バンで11月に京都で演るので、普段邦楽を聴かない人にも一度聴いてもらいたいバンドです。

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