BELOW THE SEA@大阪 NOON

 カナダの3ピースポストロックバンド、Below The Seaが初の来阪。時はくしくも連休前夜。ということで早速観に行ってきた。来日公演、とはいえやはり単発ではキツイようで、この日のライブはDeltaというイベントに組み込まれる形式を取っていた。日本のバンド、DJ陣に特に惹かれるものも無かったため、近くで軽く飲み、Below The Sea出演予定の22時頃に会場へ入った。

 会場内ではちょうどメンバーによるセッティングの真っ最中。予定より15分ほど遅れ、おもむろに演奏が始まった。ステージ向かって右手にドラム、中央にベース、そして左手にギターを配したシンプルな編成。スタンスタタンと抜けのいいミニマルなビートを刻むドラムスに、木漏れ日のように瞬く煌びやかな単音ギターが絡まり、空間をふんわりと包み込む。背後のスクリーンには、一面の銀世界をゆっくりと歩く一人の人間のシルエットや、落ち葉に覆われた晩秋の森林といった、白昼夢のような自作の映像が投影され、消えていく。アルコールの入った身体を、トレモロギターの柔らかな質感にそっと撫でられ、気づけば立ちながら寝ていることしばし。GY!BEなどを引き合いに出されていたのを見かけたが、全く違うだろう。不穏な気配は一切無し。ただただ柔らかく、淡い。音と光のシャワーが降り続ける様はさながら催眠術のよう。これといった展開はなく、どの曲も非常にあっさりと終わっていた。気持ち良いといえばそうなのだが、正直少し物足りなさを覚えたライブだった。



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