SUMMER SONIC'05@大阪

 都市型フェスとしてすっかり定着したサマソニ。今年は豪華な面子も相まって、東京・大阪ともにチケットが売り切れちゃったりする盛況ぶり。さてさて当日、天気は曇り。何だか今にも雨が降りそうな重〜い空気。仕度をし、会場へと向かう。コスモスクウェア駅で降りると、毎度のことながら人の列・列・列。そしてこれまた毎度のことながらスタッフの仕切りは最悪。人の流れに従ってリストバンド引き換えを済ませる。さぁ、ライブだ。

■BE YOUR OWN PET
11時。一発目。女性ボーカルのパンクバンド?ってことしか情報は頭になく、当然音源は未聴。開始早々、金属的なギターとボーカルのシャウトが、まだ寝ぼけ気味だった脳天に小気味良く突き刺さった。Yeah Yeah Yeahsなんかを思わせるサウンドだが、絶妙に変拍子を挟み込むドラミングが秀逸で、なかなかイケル。ギターとベースが突如として暴発的なインプロを噛まし、それを先のドラミングがかっちりと繋ぎとめて空中分解を阻止する様もまた面白い。期待以上に良いバンドだった。フェス一発目としては文句無し。

■CAESARS
明らかに人が増える。前から二つ目のブロックにいたが、そこもかなりの人密度。シーザーズ、昔レビュー書いたときは全然人気無かったのに、こんなに有名になったのね。ipod効果恐るべし。で、定刻通りメンバー登場。しかししかし、演奏下手だぞこれは。特にボーカルが不安定で、すわMando Diaoの悪夢再びかと思われたが、後半で持ち直し、Jerk It Outでフロアを沸かせ、終了。メンバーはご機嫌な様子だった。

■LITTLE BARRIE
適度に人が減る。定刻を待たずしてメンバー登場。「ちょっと早く出てきちゃったよ」なんて言うお茶目なバーリー(G/Vo.)を右、中央にドラムのウェイン、そして左にベーシスト、ルイスを配して演奏開始。それまでフロアを席捲していた縦のリズムが、明らかに円弧を描く横のグルーヴに変わる。シンプルながらも生々しく、身体の芯に作用するドラミングに合わせ、乾いたレスポールサウンドが空間を裂くように鳴り渡る。エアコンの冷気でヒンヤリとしていたフロアの温度がジワジワと上昇していく様が、ハッキリと感じられた。バーリーの少し舌っ足らずな歌声と、ウェインのセクシーなボーカルが絡み合い、抜群にソウルフルで熱いグルーヴを生み出していく。どの曲もわりとアッサリ終わっていたが、長〜いインプロとか演ったらかなり凄そう。また観てみたい。

■BLOC PARTY
本日のプチ目玉。昨年12月に堀江の小さい箱で観て以来、8ヶ月ぶりのライブだ。しっかり踊りたかったので、フロア後方にて待機。16時10分、メンバー登場。1曲目は"Like Eating Glass"。相変わらず走りまくるドラムスと、ケリーの熱すぎる歌声がシンクロし、フロアを狂熱と歓喜の渦へと引きずり込む。続いて飛び出した"Positive Tension"で早くも昇天し、その後も緩急織り交ぜて叩きつけられる怒涛のグルーヴにすっかり酔いしれた。ベースが歪みすぎていたり、新曲が今ひとつ突き抜けていなかったところは気になったが、それでも大満足のアクトだった。

■OASIS
そして本日の最大の目玉、Oasis。曇りがちだった空もいつしか晴れ、中空に浮かぶ三日月を背景に、午後19時40分、Fuckin' in The Bushesがオープン・エア・ステージに鳴り響いた。爆発的なオーディエンスの歓声の中、ゆっくりとメンバー登場。1発目は新譜から"Turn Up The Sun"、まずは肩慣らしといった感じか、大地を踏みしめ、後ろ手に組んだお馴染みの姿勢で、リアムが悠々と歌い上げる。続いて"Lyla"、サビではすかさずオーディエンスの大合唱が巻き起こる。直後、意表を突いて飛び出したのは、1stアルバムから"Bring It On Down"!アクセルを踏み抜き、一気に加速する。カッコええー。さらにさらに"Morning Glory"、"Cigarettes &Alcohol"と続けられ、イントロのギターリフだけで大興奮、跳ねるわ歌うわで汗だくも汗だく。新譜からの2曲を挟み、判別不能なリアムのMCに続いて流れたのは、泣く子も黙る大名曲"Live Forever"。当然オーディエンスは大合唱。ノエルがヴォーカルをとる"Mucky Fingers"では、無数に明滅するフラッシュとともに素晴らしい昂揚感が撒き散らされ、続く"Champagne Supernova"で完全に昇天させられる。そしてそして、駄目押しとばかりに轟いた"Rock'n'Roll Star"、"Wonderwall"で興奮が最高潮に達した会場に、あの伝家の宝刀ともいえるピアノフレーズが広がった、、、"Don't Look Back In Anger"!!!!!!
!がやたらと多いが、この日一つの歴史的な出来事が起こった。そう、この歌のサビの部分を、日本で始めてノエルが日本のオーディエンスに託したという事件。「Don't Look Back In Anger!Don't Look Back In Anger!I heard you say、、、」かつてフジロックでも成しえなかったこの事実に、軽く虚脱状態。スゲー。最後の最後は"My Generation"でかっちりと決め、アンコール無しでメンバーは去っていった。また単独で会おう。できれば年内に。



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