THE 90 DAY MEN@千日前 CLUB WATER

 何とか仕事にケリをつけ、大急ぎで職場を脱けだす。春の嵐を思わせるような暴風雨に遭遇し、ビショビショになりながら帰宅。取る物もとりあえず会場へ。初めて行くハコだったので、途中で迷って風俗街に突入したりしつつ19時半過ぎに到着。会場に入るとすぐに、対バンのzOoOoOmの演奏が始まった。

 観るまで全く知らなかったが、Tokuhiro(Guitar)、Nakasima(Vo/Drum)、I.K.D(Drum)の3人から成るバンドだそう。そしてこれがまた物凄く良かった。流麗でメロディアスなギターフレーズに導かれ、リヴァーヴがかったボーカルがフワフワと交錯、そこに相対するドラムスが強靭なビートを変幻自在に叩き込む。緩急/静動を織り交ぜながら、最後には怒涛のツインドラム体制に移行。3ピースとは到底信じがたい轟音が充満し、カオティックな世界が構築されていった。メランコリックなフレーズからHR系譜のゴツゴツしたリフまで網羅するギターと、随所で怒涛の瞬間沸騰っぷりを見せるドラムの組み合わせに、By The End Of Tonightなんかとの近似を感じた。めちゃくちゃ昂揚感のある素晴らしい演奏でした。

 続いてはThe 90 Day Men。セッティングチェンジを終え、20時半過ぎに新譜のオープニングトラック"Every Time Ghost Can't Stop Wagner"からスタート。ギター/ベース/ドラム/エレクトリックピアノという、かなりシンプルな編成。スタジオアルバムで入っていたフルートはなく、その分エレキピアノの音色で遊んでいるという違いこそあれ、基本的にはCDの音が忠実に再現されていく。異端な雰囲気漂う歌と、叙情的なピアノラインの絡み合いがやはり相当気持ち良い。心地良い空間の中、淡々と進んでいくかに思えたライブだったが、4曲目が凄かった。底なし沼のように延々とループする泥臭いベースと、静かに、そして時折覚醒的なハイハットを打ち鳴らすドラムがセッションし、終盤でペダルべた踏みのディストーションギターが昂然と響き渡るこの曲で昇天。2度目のアンコールで披露された曲の最後の最後には、伝家の宝刀ともいうべき美しすぎるピアノの旋律が抜き放たれ、フロアに恍惚感を撒き散らしながら1時間のライブが終了。本当に気持ち良かった。

 今回観た2バンド、どちらも独創的で演奏も素晴らしかったですが、圧倒的なグルーヴを放出していたzOoOoOmのライブが特に印象的。Hellaのサポートもするそうなので、また観に行く予定。



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