22-20s@心斎橋CLUB QUATRO

 ライブ盤「05/03」で展開されていた、年齢不相応に渋い楽曲と、聴き手を問答無用に叩き伏せる怒涛の演奏技術に感嘆し、非常に楽しみにしていた彼らの来日公演。そそくさと職場を後にし、会場へ。

 19時少し前に入ると、会場はかなりの入り。なんでもチケットは完売したとか。これだけ人密度の高いギグは久しぶり。SEではヴェルベット・アンダーグラウンドなんかが流れており、徐々に気分が昂揚していく。開演時間を15分ほど過ぎたあたりで暗転、メンバー登場。ワッと前に押し寄せるオーディエンスの後ろを通り、フロア中央へ移動。マーティン(vo./g.)は思っていたよりも小柄だったが、1発目の楽曲でドコドコ打ち鳴らされるドラムスに彼のギターがブワァァアと入り込んできた瞬間、オーディエンスの熱気が一瞬で何倍にも膨れ上がるのが感じられた。沸騰したフロアをさらに煽るように、"Messed Up"、"Such A Fool"といった激しい曲群が続き、稲妻のように鳴り渡るギターがフロアを席巻していく。CD単位では何度も聴いていた楽曲だが、リスナーをなぎ倒すような音圧はやはりライブならでは。"Shoot Your Gun"や、"Hold On"といったミドルテンポの楽曲では、バンドの持つ土臭く分厚いグルーヴをさらに強く感じ、横揺れの気持ち良さを内包した骨太なサウンドに酔う。実を言うと、この辺まではわりと冷静に見ていた、、、が!アコギ1本による弾き語り2曲を経て突入したのは"22days"。殺傷力抜群のイントロのダークなギターリフが轟いた瞬間、体内の血液が瞬間沸騰。研ぎ澄まされた刃物のようなギターが、文字通り空間を切り裂くように錯綜する"Cut You Down"など、さらに激しさを増す楽曲を展開し、本編終了。アンコール1曲で再びリスナーを狂乱させ、ライブ終了。早い、、、その間ざっと1時間弱。さすがにこの短さには物足りなさを感じたが、持ち歌が少ないことを考えると仕方がないのかも。

 余談になるが、生で観てイメージと最もギャップが大きかったのがベース。ストイックな人間が多いベーシストにおいて、このグレン・バータックという男は異質だった(笑)。終始口を半開きにして、操り人形のようにギクシャクとしたオーバーアクションを繰り返す彼は、大マジに演っている本人には失礼だが、観ていて非常に面白かった。あと、ギタリストのマーティンのソロフレーズが始まると、皆が伸び上がって彼の手元を覗き込むため、残念ながらその手さばきは目にすることができなかった。



back