THE MUSIC@心斎橋CLUB QUATRO

イギリスでシングルを1枚出しただけの新人、それがこの時点でTHE MUSICについて知っていることの全てだった。タイトルトラックtake the long road and walk itで強烈な存在感を放っていたこのバンド、これはぜひとも観ておかねばと思い、参戦。

やはりというか、日本ではまだ全くと言っていいほど取り上げられていないバンドなので客はかなり少ない。ざっと見積もって100人以下か。私も含め、皆一体どんなバンドが出てくるのかひとつ観てやろうといった感じの人が多いように感じた。

19時過ぎ、客電が落ちメンバー登場。皆本当に若い。ロブはさっきまでそこでサッカーをやってましたって感じのユニフォーム+切りっぱなしのジャージで登場。少し緊張気味に「コンバンワ」「we are MUSIC」「this is DANCE」のMCのあと一曲目に突入。アダムのギターがギュオォォンと唸り、ベースがブンブン飛び交い、フィルのドラムは激しく打つ鳴らされる。もうハッキリ言って様子見とか余裕かましてる場合じゃなかった。全く知らない曲なのに体が勝手に動き、フロア全体も一気に瞬間沸騰した。間髪いれずにJAG TUNE。反復するギターリフに再び踊らされる。自分が踊りたいからバンドを作ったというだけあって、ロブ自身も踊る踊る。緩やかな立ち上がりのHUMAN、NEW INSTRUMENTALで大きな渦に飲み込まれ、ロブの弾き語り曲、ALONEはものすごくシンプルなだけに、ボーカルの放つ存在感が際立った。そして、ゴオォォォオォという地鳴りのような音が鳴り響き、オーディエンスがこの日一番の盛り上がりを見せたTAKE THE LONG ROAD~。サビでオーディエンスの「ピッパラピッパラ」の合唱が起きたことに、バンドのメンバーは驚いた様子ながらも嬉しそうだった。本編最後のDISCOで客を興奮の渦に叩き込み、いったん退場。その後再度登場しアンコール。締めのTHE WALLS GET SMALLERは凄まじいの一言だった。荒削りで、下手すれば一気に空中分解しそうなギリギリの緊張感を孕みながら放たれる音は、強烈な磁場を形成するような感じで圧倒されてほとんど微動だにできないぐらいだった。特にフィルのドラミングの手数がむちゃくちゃ多く、バックライトを浴びながら叩く彼の姿はとても強烈な印象を与えていた。終演後はもうなにがなんだか分からないような感じで、頭の中はグチャグチャ。ただただ凄いものを観てしまったと興奮しながら帰宅。



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