ZU/Carboniferous

★★★★

10年のキャリア/10作以上のリリースを誇るイタリア/ローマのトリオによる09年新作。avan/noisyなインプロで空間を攪拌/拡張するド級のGROOVE。ドス黒い怪気炎を吐き上げるフリー・ジャズテイストのハードコアであります。

ブチ壊れたエレクトリカルパレードか!というようなオープナー"Ostia"を聴けば分かるが、楽曲クオリティが異常に高い。ドラム/ベース/バリトン・サックスの三者が悠然と動かすウルトラヘヴィなリズム/グルーヴ。放出されるフィジカルな圧迫感がスゲー。King Buzzo(MELVINS)の参戦により、いっそう極悪の度合いを増した爆音を展開する"Chthonian"、リズミカルに/揺蕩にと振れるサキソフォンを主に、炸裂する音塊が危ない昂ぶりを描くTr.3〜5、北欧デスばりの兇悪グルーヴに、Patton先生が怨念のようなヴォーカルを被せるTr.6"Soulympics"、ほとんど悪魔召喚のような極太反復リフがトグロを巻く"Obsidian"は、ラストの劇場型スペクタクルで一挙アチラの世界へ。次いでソチラで鳴らされる異界的環境音"Orc"で〆るという仕様になっている。

弾圧的なリズムによる反復構築と、絶妙に「アヴァン」なインプロでその全景を突き崩していく手法には、ノイバウテンの"嘘の館"に通じる興奮も。ある意味「真っ黒なお花畑」めいたイロで統一された一枚で、トラック毎のメリハリはそれほど強くない。が、何せパーツ/パーツの押し出しの強さ/ギラつきっぷりが半端ないのです。生で聴いて観たいなー、これ。過去3度の来日はもれなく見逃しているので、もっかい呼んでください!

http://www.myspace.com/zuband