THE YELLOW MOON BAND/Travels Into Several Remote Nations Of The World

★★★★

大英帝国発、サイケデリックに捻じれたGROOVYなロックンロール。数多異国のネオン街を駆け巡るよな、魅惑的なイロがうねる素敵な音の洪水に呑まれ揉まれる快作デス。

カラフルというよりはエキゾチックな渋味、ネジれてはいるが一本芯の通った野太いグルーヴがとにかく素晴らしく気持ち良い。歌心や過剰な彩色に溢れる以前のSFA(ちなみにどちらもウェールズ出身)もイメージさせるサウンドは、全篇に渡って大らかな包容力と、中で自由に弾ける奔放さに満ちている。うーん、というか一発目のパパパパ・コーラスや続く"Chimney"冒頭のすっとぼけたイントロにキュンッ!とした人ならもう、これは最後までメロメロではなかろうか。エレキが歌い、アコギが囁き、リズムが踊り、豊かなメロディが降り注ぐ物凄くナチュラルで、とても豊穣なインストゥルメンタル・ミュージック。

なんだかこういう音、自分の中で最近無かったのでなんとも新鮮。先のSFAにしろTHE CORALにしろ、時代やシーンに関係なくこうしたバンドがポン!と出てくるところにこそイギリスという国の面白さを感じます。

http://www.myspace.com/theyellowmoonband