WEEDEATER/God Luck And God Speed

★★★☆

色んな意味で最下層的な重音塊でこちらの聴神経を駆逐蹂躙する、亜米利加はノースカロライナ州の3人組による3作目。濃密な汚泥をたっぷり含み、最高圧の歪みで変形させられたリフでもって空間丸ごと捻じ伏せる、ドゥーム/スラッジ系メタル・サウンド。

コイツらは阿呆か、、、と突っ込みたくなる歪みと重み一辺倒の直情性丸出しなリフ/リズムの出し入れ。デュデュデュドゥードゥードゥルドゥルダンダンッ!ってな具合の爆濁音によるレイプ。丸太然とした極太のリフをぶん回しながら、自身も最下層で喚き声を這い回らせるDixieのヴォーカルにずりずりと引きずられていく"God Luck And God Speed"は、その鬱蒼のスローテンポから、古典的メタルの快が弾ける"Wizard Fight"へ雪崩れ込む。この「これが欲しいんだろ?」的な流れが最高。ほんまはお前が欲しいだけだろーが、っちゅう。

"どこまで重く、ラウドにできるか?"という、ほとんどこれだけに価値を見出していそうな愛すべきお馬鹿さが丸見えな音塊と、Iron MaidenからSabbathから、肉感的で格好の良いリフをグイグイ引っ張ってきました、的なリフでガッツリと攻めるTr.5"$20 Peanut"あたりの暴れる短曲パートが、良い感じで絡みあっている全9曲39分。Steve Albiniによる録音!なのにその存在をほぼ打ち消してしまっている、ある意味でスゴイ作品、か?

http://www.myspace.com/weedeater