VIOLENT BREAKFAST/Nient’altro che Tempo

★★★★

イタリア産/激情型ハード・コアバンドによる1st。移入できないスクリーモほど鬱陶しいサウンドは他に無いと思うんだが、ことイタリア勢はその辺が本質的に優れてるのか、叫びの前にあるそもそもの衝動へコチラを同期させるのがめちゃくちゃウマイ。うっせー俺はオマエの変な文章に同調できねーんだよ!と言われそうだが、この5人は本作中、時には気恥ずかしくなるような等身大の感情を自然に曝け出し、炸裂の衝撃へモロともに巻き込んでいく。

お前はMAEですか!?と駄洒落が過ぎったナイーヴなイントロや、鬱の温もりにへたり込むシガー・ロスばりのホーンが揺れるTr.3の導入部など、等身大でかつ異常に内向した繊細な音がストレートに心を波立てる。言い知れぬ不安や焦燥は、続いて沸き立つ捨て身の絶叫と轟音へと簡単にリンク。等身大だからこそのカタルシスに一挙圧倒される。

彼らがかき鳴らす絶叫は、ほとんど渾身の力で内心のウィークポイントをブチ撒けるような要素が強く、決して壮麗でも夢想の逃げ口へ行くものでもないが、だからこそ一々の情感や激情が劇的に胸を打ち、あやふやな昇華以上に強烈な虚脱感/充足感に襲われる。燃え尽きる、という言葉が繰り返し頭をよぎる(巻き舌の)イタリア語は当然ながら何を言ってるかわからんのだが、その情熱を伝えるという意味ではもう十分。ひたすらに生々しい衝動で煽りたて捲り上げる"Qocca Di Infanzia"でヤラれました。蒼臭い激情に巻かれたい人は是非。

http://www.myspace.com/violentbreakfast