UZEDA/Stella

★★★★

イタリア・シシリー発のカルテットの8年ぶりとなる新作。バンドの歴史は古く、その結成は1987年に遡る。90年代に3枚のアルバムとEP1枚をリリースするを最後に、バンドは活動休止状態に。ボーカリストGiovanna Cacciola並びにギターのAgostino Tilottaは、その後Belliniとして活動。昨年Temporary Residenceからアルバムをリリースし、今春には来日も果たしている。

そんなUzedaが、8年ぶりに突如としてリリースした4thアルバム。これがもう滅茶苦茶カッコイイ。鋼の五月雨を降りしきらせる硬鉱質のソリッドなギターテクスチャと、その波動で視界を歪めるかのような極太のリズム隊の躍動。時に不協和音で空間を軋ませながら、トグロを巻きドロリと溶解しながら押し寄せるアンサンブルが、タイトにして屈強、強烈なグルーヴでもって場を攪拌する。それらの掛け合いは、さながら胎動する心の臓と、もってドクドクと押し出される血流のように連動して作用し、生々しく原初的な興奮を呼び起こす。

そしてGiovanna Cacciolaの声、これがまた素晴らしい。どこか壊れた部分を感じさせる子どものような呟きから、キリキリと喉を振り絞り叫ぶ金属質のシャウトまで、これがその硬質なバンドアンサンブルと完璧に対を成し、激アグレッシヴに攻め来て迫り、脳幹をグワシグワシと揺り動かす。

プロデューサーは御大スティーヴ・アルビニ。氏の手にかかるやいなや、並のバンドであればその音処理に個性を滅却されかねないのだけれど、まるでその御大を跪かせるかのように(笑)強い、独自の美意識を感じさせる素晴らしい全8曲29分の狂騒群。オススメでござい。

www.myspace.com/uzedathaband