何の裏ワザですか？と突っ込みたくもなるバンド名だが、その実10年の活動歴を持つUKの4人組による3rdフル。実直な轟音のポストロックを軸に、しかしヒネた御仁をも魅了する粗く激しい因子がイイ具合に全体を引っ張る。
むっちゃ単純だが昂ぶリ必至の太っといベースラインが反復し、左から、そして右からも迸るディストーションギターのデコレーションが耳から雪崩れ込み血中アドレナリンをバンバンと上昇させていく。勿体ぶる気配はまるでナシ。ご機嫌な51秒間の小インストを"Tavern"を皮切りに、高域のセンチメンタルを散らし、泣きのメロディで落とし、ポストメタリックな轟音の重奏/絶叫で畳み掛けるTr.2"Black
Lodge"で早々と魅力は全開に。感傷を絵に描いたようなアルペジオから、一瞬の静寂（そして彼方では絶叫）を挟んでMAXIMUMな爆音が炸裂するTr.4"Agent
Cooper"での簡潔なる99秒間劇場、ポストメタルというよりは、それ以前のグランジの香りも感じられるザラついたヘヴィネスがやがてハードロッキンなノリへと弾けていくTr.6"Dad
Rock"、この辺りなんてばかなりカッコイイ。パーツ・パーツで見ればかなりオーソドックスな音ながら、その組み合わせの妙からか、全体としてはかなり惹かれるところの多かったナイスな一枚。全8トラック/28分弱というコンパクトさも個人的にはピッタリでした。
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