UNSANE/Visqueen

★★★★

NYジャンクメタル帝王
NYHCの暴虐王
USA産暴虐のジャンク・ロック・トリオ
NYジャンクシット!!!
四日市石油コンビナートのごとく重厚
とにかく凶暴、、、

と、メロスが見たならば間違いなく激怒するであろう邪智暴虐の形容フレーズが、それこそ山と降りかけられているNYの重鎮による6thアルバム。活動休止期間を含めれば20年超という、恐るべきキャリアの持ち主。それでいて未だ『満たされる』などということからは億万光年も乖離していそうな、このアグレッシヴな激サウンド!中身のみっしり詰まった土嚢でぶん殴るような、密殺性の高いベースリフが低空を飛び、叩きこまれるドラミングと共にその音圧の凶刃で周囲の者を薙ぎ倒す。鋼の質感丸出しの分厚いギター・テクスチャは、その重みと相反するソリッドさで場を刻み、時に自在にその姿態をくねらせ狂態を演じる。そして何より、Chris Spencerのヴォーカルのカッコイイことといったら、、、拡声器を通過させガナっているようなヴォーカリゼーションが、波状攻撃にて空間を傷つけていく様に痺れまくります。

鬱屈した感情を、埃っぽい骨太のサウンドに乗せ叩き出す"Against The Grain"に始まり、絶妙な緩急と共に、随所で暴力的なタテの衝動を破裂させるその展開。テクニック云々といったことを感じる隙さえ与えない、完璧なバンドアンサンブル。楽曲相互のコントラストがかなり抑え目であるにも関わらず、最後まで全く弛緩させずにコチラを貫き通してしまう様に、シーンの主たる者の凄みを感じました。昆虫の羽音のような異音が延々と飛び交い、後景でサイレンがウヮンワンと鳴り響く終曲"East Broadway"の反復は、本気で不気味でもあります。先のPoison The Well同様、異ジャンルのリスナーに対しても余裕で殴り込みを仕掛け得る、かなりカッコイイ作品だと思います。

http://www.myspace.com/unsane