99年にシカゴで結成されたカルテット、Timeout Drawerの2ndフルアルバム。いわゆる「Mogwai以降のポストロック」の系譜に属するサウンドではあるが、ギター/ベース/ドラムに加え、メンバーにムーグ奏者が在する点がまず特異。激情型ギターサウンドの基盤部にこのアナログな質感のシンセがダイナミックな主旋律を被せ、全体を多大な熱量ほとばしる炸裂へと導く。
先にレビューを書いた65daysofstaticと微妙に共通する部分を感じるものの、Timeout
Drawerが奏でるノイズにはある種の温かみが常に寄り添って感じられ、また非常にレトロでシネマティックな雰囲気も漂う。静→轟音という単純方程式に依らず、繊細かつ破壊的なインタールードを挟みながら全編を通じてリスナーを引き込み、終局の炸裂へと巻き込んでいく楽曲群。Mogwaiの中でも"My
Father My King"や"Ratts Of The Capital"といったタイプの楽曲が好きな人にオススメのアルバム。
http://www.timeoutdrawer.com/