TIC CODE/Fbccade

★★★★

一聴した瞬間ニヤリ。なかなかに面白いバンドが出てきました。03年より活動するUSはポートランドの4人組、Tic Codeのデビューフルアルバム。硬質の音塊を叩きこみ、練り上げられて生成される鋼の響きのインストゥルメンタル・ミュージックに、各所でSleeping Peopleの名が比較に挙げられるのもなるほどなと思わされる。

が、同じ金属音の生成物でありながら、その構成物質の違いは歴然。鋭いリフで刻み、点描のリズムでグルーヴを形成するSleeping Peopleに対し、Tic Codeの放つリフは、精緻でありながらとにかく豪快。ムチャクチャに厚い。

オープニングトラック"Exembox"
強烈なバッキングにより放り出されるリフの嵐は、完璧にヘヴィ・メタル。ベースの重奏低音が爆発的に場を牽引し、頭上を狂ったツインギターが高速の千鳥足で歩み去る。これでもか!これでもか!と鉛の塊を叩きつけるエネルギッシュなラスト20秒なんて最高!かと思えば続く"Skeletons"では、グルーヴィな重低音部はそのままに、ミニマルなギターワークが穏やかな情景を描き出し、Tr.4"Canker Sore Icky"では逆に陰性の昂揚感を煽り立てる。他にもTr.6では初期Mogwaiを思わせるような不穏な轟音を炸裂させたりしているが、しかししかし何と言っても面白いのがTr.5"Chicken Refrigerator "にTr.7"Swedish Fish"。良い意味で完全に時代を錯誤しているギターソロが高らかに鳴り響き、それがかのリズム隊のダイナミズムと混じり合い、めくるめく爆音とともに縦横混合の超絶なグルーヴを産出していく。変だぞコイツラ。でも良い!Sleeping Peopleが好きな人も気に入るだろうけど、Part Chimpあたりが好きな人にドンピシャな音かもしれない。オススメ。

www.myspace.com/ticcode