TANK 86/Ariba

★★★★

ストーナーでもドゥームでもない"インストゥルメンタル・ヘヴィ・メタル"ってのが確かにある!と思わされる快作。このオランダの4ピースが"insturumental heavyness"と自称するサウンドは、かつてPELICANの"Australasia"を初めて聴いた際のソレに繋がる興奮を呼ぶ。

こちらは2005年に500枚限定でリリースされた4トラック入EP。ミドルテンポのリズムが動き、アタマをぶん回したくなるタテのriffが繰り返し繰り返し、波状する。ご大層なドラマはない。在るのはただただ単純な、そして激烈な快楽衝動を催すリズムとリフの反復だけ。磐石の体勢でめくるめく変拍子が、後続する快楽を予感させる"Tank"、疾走感を増したリズムがハードコア・ライクな肉感性を放つ"Big Ass Beetle"、そして反復する邪悪な旋律が、噴き出る轟音と読経のようなバック・コーラスに侵食されていく"Influenza"まで、絶妙な緩急強弱をもって展開されるタテの世界に、首の上下動が止まらない。

Behold

★★★★

続く2008年リリースの5曲入EP。理屈抜きでキモチイイ"instrumental heavyness"は不変。快楽中枢へ作用するそのプリミティヴな直接性は、いっそう強度を増している。

寄せては返す波のように、打ち寄せるメタリックなリフのリズムの律動は、しかし一時として同じ姿をとどめず続々とカタチを変え巨大な昂揚を象り、作用する。この絶妙なウエイトとスピード、リズムチェンジがが同居したヘヴィな音像は無敵に近い。前作同様この尺だからこそ、というのもあるが、プレイボタンを押せばラストまで一挙に、極上という以外にないヘヴィ・インストゥルメンタルに浚われる。間もなく、満を持してリリースされるフル・アルバムも期待大!

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