TAMMAR/Visits

米国インディアナ州の5ピースによる1stフル

青い陽炎のようにうねるギター・コードと、深いオーヴァー・ダブが施されたリズム・セクション。Joy DivisionやVelvet Undergroundが引き合いに出されるそのサウンドは、確かに一面でそうしたアート・ロックの空気を強く纏う。一方で、ヒプノティックな電子音に色づけされたサウンドは、その反復による酩酊をキモとしながらも、次第に各ピースが絡み合うようにアンサンブルの強度を増し、随所で「ロックのダイナミズム」や「開放的なポップネス」を発散してみせる。ただの雰囲気一辺倒でない、このサウンドの肉感性こそがこのバンドの非常に魅力的なポイントかと。

チリチリと内面をスクラッチするような電子音/リズムが強烈な印象を刻む"The Last Line"は、本作のリードシングルでもある好トラック。フラつきながらもどこか毒々しい強度を感じさせるサウンドが、さながら揺らめく波紋の底に沈んだカラフルなナニかを浮き立たせるように展開する、不可思議な昂揚を放つ好アルバムです。

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