SUPERSTAR/Palm Tree

★★★★

98年リリース、グラスゴーの4人組Superstarの2nd。なんというかもう痛いぐらいに切なくて泣きたくなるアルバム。サウンドはシンプルな内省系UKギターロックというくくりになるんだろうけど、もうとにかく歌詞もメロディーもものすごく感傷的で、心の琴線を鷲掴みにされる感じ。TravisやColdplayなんかとはまた違った、生々しい感情が一音一音からとめどなく溢れ出てくるような、そんな音。よく「ギターが泣く」という表現が使われるけど、そんな形容がまさにピッタリくるような、エモーショナルにかき鳴らされるギターサウンドにもう一発でノックアウトされてしまいます。そこにさらにとどめを刺すのがジョー・マクリーンのファルセットボイス。感情が入りまくった暗く儚く美しいファルセットボイスになんかもう打ちのめされる感じで、グッタリしてしまうぐらいに悲しくなってしまう・・・。毎日楽しいことが一杯で、喜びに満ちた人生を送っている人にはこの独特の哀愁と暗さに満ちたサウンドは絶対に受け入れられないと思うけど、ちょっと悲しい気分に浸っていたい時なんかに物凄くはまります。Travisのような、最後に「救い」が見える音楽とはまた違うけれど、聴いた後、一つの泣ける映画を見終わった時に感じるのと似たような、不思議な充足感と優しい気持になれるアルバムです。



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