STROKE 9/Nasty Little Thoughts

★★★★

99年リリース、いわゆるモダンロックバンドの4作目(たぶん・・・)。この手のバンドはあまり聴かないのでよく分からないけれど、良い曲がぎっしり詰まった非常にクオリティーの高い作品だと思う。アメリカ西海岸のポップロックバンドというと、お馬鹿な陽性ロックバンドを想像してしまうが、Stroke 9の場合、王道ともいえる疾走間のあるサウンドにあわせて歌われるメロディーは、非常にキャッチーながら、どこかしら影を感じさせる憂いに満ちている。

徐々に加速するサウンドと共に、畳み掛けるように盛り上がっていく感傷的なメロディーが印象的な"Letter"に始まり、リヴァーヴしたギターにザクザクとリフが絡み、日常の憂鬱をストレートに歌ったボーカルが合わさる"CityLife"で、グッと心を掴まれる。無理にヒップホップ調にしてみたり、変にハードなサウンドを取り入れたりせず、あくまでも歌とタイトな演奏で聴かせていることも好印象。この時点ですでに10年のキャリアを持っているだけあって、演奏も上手く、最後までしっかりと聴かせきる力を持っている。買ってしばらく経つけれど、たまに無性に聴きたくなる、長く付き合っていけそうなアルバム。

Rip It Of

★★☆

前作では憂いのあるメロディーを、疾走感のあるタイトな演奏で聴かせていた彼らだが、本作ではその良さがほとんど消滅。へヴィーなギターリフを多用したりして、分厚いサウンドを目指そうとしたのか、それが逆に彼らの持ち味である繊細なメロディーを覆い潰してしまったように感じる。まさに今流行りの、ニューメタル要素を取り入れてみました的な凡庸なアルバム。残念。



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