STRAW/Shoplifting

★★★★☆

ブリストルの4人組、STRAWのデビューアルバム。「Vo.マティ・ベネットのファルセットボイスがトム・ヨークにかなり似ていたりする」、と書くと、いわゆるRadioheadフォロワーの一つかと思いがちだが、アルバム冒頭の"Dracura Has Risen From The Grave"を聴けばそれが間違いだったと分かる。トリッキーやマッシヴなんかを生み出したブリストルという土地柄か、ギター、ベース、ドラムという基本的なバンドサウンドに加えて、かつてテクノ畑で活躍していたダックなる人物が加わっていることが、Strawの楽曲に面白みを与えている。

マティの書く曲は、どれもイギリスらしい憂いを含んだ美しいメロディーを持っているが、その全ての曲に大胆にサンプリングやストリングスが施され、Travisのような繊細さに加えていつどこからどんな音が聴こえて来るか分からない、という展開の面白さも兼ね備えた曲に仕上がっている。胸をかきむしるマティの声が印象的な"Movin' To California"や、生楽器と打ち込みのコントラストが気持ち良い"United States Of Amnesia"などなど、並みのインディーバンドとは違った独自性とソングライティング能力を備えた作品になっている。しかし何ゆえアルバムタイトルがShoplifting(万引き)なのか!?こういうアホっぽいところも好きです。笑

追記:バンドはこの後、"HOMEWORK EP"、次のアルバムからの先行シングル"Sailing Off The Edge Of The World"をリリースしましたが、アルバム発売を前に解散。ベーシストとドラマーは現在Jeevasでプレイしてるそうです。その関連でStrawを知る人も多いかも。



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