SNUG/ST

★★★★

UKの4人組パワーポップバンド、Snugの1st。パワーポップってどんな音?って聞かれると、実は答えられなくて困ったりする。「ムーグ炸裂の青春ソングだよ」とか言ったりしたら、きっと「ムーグって何?」って聞かれて困るだろうし。まぁ言うなればギターポップの甘酸っぱいメロディーに、シンセやらキーボードやらいろんな音が乗っかって、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい曲ってのが自分の中のパワーポップのイメージなんだけど、おおかた「Weezerが演ってるような音楽だよ」って言ったほうが良く伝わるんだろう。

さてさて、このSnugもそんな(どんな?)パワーポップバンドの一つなんだけど、もう1曲目から楽しい楽しい♪これを作った時のメンバーの年齢が二十歳そこそこということもあって、若さ溢れる激キャッチーなメロディーが怒涛のごとく押し寄せてくる。今思い出すと恥ずかしくなるような、10代の頃の自分の姿を思い出してしまうような、そんなちょっとした気恥ずかしさも感じさせる青春ポップソングは、でもやっぱり胸がキュンと切なくなる甘酸っぱさに満ちている。日本盤に6曲収録されてるボートラがまたどれも文句なしに素晴らしい。自分の中では元祖パワーポップバンドWeezerよりも、こっちのほうが好き。

From Solar To Polar

★★★☆

日本先行リリースの2nd。前作よりも曲調がバラエティーに富んでいる感じ。特に、前作では甘酸っぱさを感じさせるメロディーが主だっていたのに対し、今作においては、なんとなく「痛さ」も感じてしまうような、エモーショナルなメロディーが強く印象に残る。一曲目でSnug節ともいえるムーグサウンドが炸裂するミドルテンポの"It's Just A Science"は、彼らの中でも1,2を争うぐらいの名曲だと思うし、各曲の完成度という意味ではすごく成長してるんだけど、やっぱり彼らには、初期のお馬鹿な雰囲気を感じさせる、若さって怖いなぁって思わせるようなサウンドのまま突っ走って欲しかったなぁというのが正直な感想。いつまでも若くはいられないんだな、と当たり前のことを考えてしまう、一抹の寂しさを覚えるアルバム。

バンドは結局この2枚をリリースして解散。その後ベーシストのエドは、ソロで活動し、「本当にsnugのメンバーだったの!?」って驚くような、深みのある素晴らしい作品をリリースしている



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