THE SNAKE TRAP/At Home In A Hostile World

★★★★

テキサスの3ピースによるデビュー・フル。同郷のEITSとはその趣を全く異にする、沼地を掘削するような汚らしさが魅力のインストゥルメンタル・ロック。こいつら、結構、変かもしれん。

冒頭こそ、メロディアスなラインと郷愁のディストーションで攻める叙情畑のナンバーながら、すぐにその化けの皮は剥がれ落ちる。メタリックな歪みを増し一気に重心を落とし込むベース、片やギターは"情緒なんてぇ糞喰らえだぁな!"とばかりに、品の無さ剥き出しのゴリッゴリのリフを叩き込み始める。

秋の夜の高速を一人突っ走るような(やったことは無い)、初期モグワイばりの郷愁と爆音を撒き散らすTr.4"Hiroshi's Ebay Bike"のような楽曲を差し挟んでみたりするものの、このバンドの本性がメタルでありヘヴィロックであることについてのカモフラージュには全くなっていないのが面白い(笑)

呪術的混沌を増したBy The End Of Tonight、はたまたテクニカルの度合いを強めた90 Day Menといった感じのTr.5"Frau Schmidt"におけるめくるめくオゲレツな11分の狂態、完全に野生へと帰した3者がドツキ合うTr.6"28&7/8"でのプリミティヴな爆裂衝動など、体裁構わず打ち鳴らされる濁音は個人的にかなりツボ。いい!

本人達はどうも「イマどきな」叙情系インストをメインに打ち出していきたがっているようだが、隠し切れぬ素性丸出しの、ある意味で田舎臭く垢抜けない粗いセッションのほうが万倍カッコイイと思う。ブーミーに空間を歪める重低音とギャンギャンに戦慄くディストーション・・・息の合った3者の転調変拍子ばりばりの展開にはかなり興奮。個人的に結構オススメのアルバムです。

www.myspace.com/thesnaketrap