SIX BY SEVEN/04

★★★★

 リリース4作目にして初体験したSix By Sevenの音世界。これがまた素晴らしかった。

 水泡が弾けるような音処理を施した軽やかなプログラミングドラムスにより導入され、そこへ水面下からジワリと湧き上がるキーボードが絡みつき、滑らかに滑走・離陸していくオープニングトラックの"untitled"。隙間なく敷き詰められたシンセの絨毯上を、気だるげなボーカルが彷徨い、そして粗い粒子の爆音ギターが炸裂する"sometimes i feel like"、軽やかに跳躍するキーボードとメロディアスなフレーズを弾き出すベースが、抜群のコントラストを描きながらリフレインする"ready for you know"はspiritualizedの"Lay Back In The Sun"にも通じるまばゆい陽性のサイケデリアを撒き散らしている。さらにTr.4"ocean"は、4thと5th期の中間のOasisを彷彿とさせる、抜群の昂揚感を誇るシンセとダイナミックなバンドアンサンブルが混じり合ったロックチューン。続く"say that you want"でも、激渋のハーモニカと、轟音以外の何物でもない歪んだギターサウンドが空間を蹂躙するウォール・オブ・ギターサウンドが展開され、究めつけの"bochum"では、dovesの"pounding"顔負けの光に満ちたサウンドが展開され、高く高く飛翔していく、、、

 上記で名の挙がったバンドが好きな人には是非とも聴いてもらいたいアルバム。それらのバンドと比べて異常にメディアの取り扱いが低く、そのことを強く嘆いている人が多いことにも思わず納得してしまった素晴らしいアルバム。お薦めいただいたkubotchさん、ゾンさんに感謝します!