SILENCIO/Dead Kings

★★★★

オハイオ州コロンバスの4人組による1st
とにかく、異常に複雑。jazz/prog/deathにsalsaまでが目まぐるしく交雑するサウンドは、事前に頭使って考えないと絶対グチャグチャになるだろう知的仕様。でもってそれが、せこさをまるで感じさせないダイナミズム/カタルシスに繋がってるところが超上級。ジャンルの垣根をブチ壊しまくり、なおかつ全像がキャッチーなフックに溢れてるだなんて、ちょっと素敵すぎやしませんか?

EXPERIMENTALなジャズ/メタルの交合を僅かな軸に、ありとあらゆる要素が無尽に降りかかる。耽美なピアノの旋律がデスメタルの轟音へと瓦解する"15ifteen"は、そこから更に奇妙なエレクトロニカへと流れ、終局にて再びリリカルな轟音へとメルト。以降もその正体不明の劇物は一層その畸形を進化させ続け、1秒先も読めぬ異様なテンションと、一音一音が弾き出す激烈な高揚感とをばら撒きながら、ひたすらに怒涛の混沌を蹴散らかしていく。アヴァンギャルドといえばもうこれ以上ないぐらいアヴァンだが、この他に類を見ない奇態なサウンドは聴けばワカルが異常にキャッチー。昂揚中枢のもれなくを鷲掴まれる音楽に恐れ入った。凄絶。

http://www.myspace.com/silencio