SECRET CHIEFS 3/Xaphan

★★★★

Trey Spruance(ex.Mr.Bungle,Faith No More)傘下で展開するSC3の新作。これほどまでにユニークで愉楽的なサウンドは、1年に1枚巡り合えるかどうか!?ってクラスの名盤。

ペルシャ/アラブ/インド世界を想起するエキゾチックな旋律と、ロックのダイナミズム/スピリチュアルな陶酔要素を多種混合・・・って活字にするとホントなんてことないんだが、その交わるサマの極上は、ほとんど筆舌に尽くしがたい異境の恍惚を照らし出す。
ファンク色の強いリズムが跳ね、ゾクゾクと昂揚が這い上がるようなエキゾチックな旋律が湧き上がる。どれが主体というのではなく、全てが超自然的に溶解融合。旋律の昂揚を生かしながら、音圧のダイナミズムは微塵も損なわれない。ここでこう来るか!という驚きと、今ここでコレが欲しい!という要素が見事に融和。繰り返しになるが、こんなサウンドは滅多にお耳にかかれない。月光に照らされた湖中から、神獣が現出するようなラスト"Hamaya"のシネマテイックな音景まで、神出鬼没の展開には息を呑む昂揚が満載。

調べるうちに知ったこと。このbook of angelsってばJohn Zorn(Painkillerしか聴いたことないの)作品をカヴァーしたシリーズ物。最近MM&Wがカヴァーした最新作(Vol.11)がリリースされておりこれもかなりカッコよかった!この異形の世界がゾーンのものなのかSC3のモノなのか不明ながら、とにかくも強烈な魅力が詰まった名盤であることは間違いない。断定。

http://www.myspace.com/secretchiefs3