SCARLING/So Long, Scarecrow

★★★★

グラマラスな轟音を叩き出す、USカリフォルニアの4人組による2ndアルバム。フロントマン/Jessicka嬢の艶やかな歌声に導かれ、蕩揺たい爆裂し空気を揺るがす甘美な爆音の調べが満ち充ちる。

情感豊かに空間を歪め、ひしゃげさせる轟音ギターの炸裂感がとてつもなく気持ち良い。その耽美な爆音の鳴りっぷりには、所々でマイブラの影響も感じられるのだけれど、グランジを通過してきたような骨太のサウンドは、浮遊感というよりむしろ、ダイナミックかつ美しいフォルムをもった堅固な建築物を思わせる。

ゆったりと蕩揺う轟音だけでなく、My Vitriolを思わせるような青い炎を迸らせながら、冷たく熱いギターリフが空間を刻む様がなんともクール。緩急の使い分けもかなり巧みで、ロックの放つダイナミズムと昂揚を始終に渡って次々と描き出していく。瞬間的に噴出するディストーションの暴力と甘い歌声が、絶妙のハーモニーを織り成し身を包み、昂揚でもって焦がしていく様に何度も何度も昇天させられる、非常に気持ちの良い作品。

http://www.myspace.com/scarling