REPLIKAS/Avaz

★★★★

研ぎ澄まされた怜悧なパッションを解き放つイスタンブールの5人組/Replikasの3rd。プロデューサーはSonic Youth、Dinosaur Jrの作品にも携わるWharton Tiers。リリースはトルコの音楽シーンを牽引するレーベル/Doublemoonより。

オリエンタルな器楽の九十九折りへ、吐き出されるターキッシュ・ワーズとドライヴィンなベースが錯綜するTr.4"dayan"は、東西の文化がクロスする此の地のバンドならではの玄妙な磁場を形成。同系統の構成を持つTr.3"0-1"などは、終局で種々の器楽が混沌を孕み脈動するダンサンブルな指向へと遷移するが、これがまたかなりカッコイイ。更にアルバム後半部においては、プリミティヴな音の衝動と旋律のエキゾチティークな絡み合わせで扇動するTr.7"omur sayaci"、ブラストするベースラインと反復し吹き荒れるディストーション/ノイズがヒヤヤカな漆黒のグルーヴを形成するインストナンバーTr.10"zift"といった、西洋寄りのウェイトを強めたアグレッシヴなロックナンバーを叩き出し衝動を喚起していく。

なぜか妙に親和性の高いトルコ語を措いて見ると、強烈な斬新性は無いがしかし、その構成そのメロディそのスキルにかなりのクオリティを感じるロッキン・ナンバー群。沸き立つ熱情をヒヤヤカに封じ込め突き立てる、黒曜石の如き光を放つ快作。、

http://www.myspace.com/replikastr