RED SPAROWES/At The Soundless Dawn

★★★★

 ISIS、Neurosis、Cult of Lunaのメンバーを中心に結成されたRed Sparowesのデビュー盤。本家を軽々と超越してしまうような、豪快にして美しい音の荒野が眼前に広がる快作。

 作品中で幾度となく姿を現すメランコリックなフレーズや、積み上げ式のクリアディレイの音色からは、MogwaiやEITSなどに通じる美しいセンチメンタリズムが放たれているが、特筆すべきはディストーションギターの濁流が間断なく打ち寄せられる、凄まじいまでの推進力。静→動のアプローチでは決して生み出すことのできない、爆発的な衝撃が絶え間なく体を揺さぶる。

 空間を歪ませながら鳴り渡る怒涛のディストーション、咆哮するフィードバックノイズ、ヘヴィリフに圧倒される。と同時に、曲間で挟みこまれる鳥の囀りやテープコラージュが、作品に抜群の叙情性を加え、全体を何とも言えない寂寥感のベールで覆っている。全7曲55分に渡り、確固たる世界観を描き上げている素晴らしいアルバム。

http://www.redsparowes.com/RS_index.html