PSYCHID/ST

★★★☆

oxfordの4人組バンド、PSYCHIDの1stアルバム。デビューシングルでは同郷のRIDEなどシューゲイザーバンドの影響も垣間見えるようなギターが渦巻く曲をかき鳴らし、2ndシングルでこのアルバムの冒頭曲でもある"Split Lip Sucker"では、どこか物悲しいサイケデリックなサウンド、そしてアルバムの先行シングル"Radio"では、これも同郷のRADIOHEADのblackstarのようなダークで美しい曲を聴かせるなど色々な面を見せていたバンドだが、このアルバムも電子音などが随所に効果的にちりばめられるなど、非常に完成度の高い作品になっている。特に前述のRadioと並び、一度聴いたら耳から離れないような"Jezebel" "Burning Boy"の美しい展開は素晴らしい。最近のガレージバンドのような初期衝動で突っ走る豪快さは皆無だが、抜群のセンスと懐の深さを感じさせるこのアルバムはUKロック好きな方には是非とも聴いてもらいたい作品だ。

ただ、若干追記させてもらうと、ややまとまりすぎて面白くないといった感じも否めない。バンド名もヘンテコだし、当初のオフィシャルサイトなんかを見ても少し変わった感性を持ったバンドのように感じただけに、歌のほうにもあと少しのハチャメチャ感と遊び心が加われば面白いのでは。今後SFAのようなバンドになる可能性も感じさせるので、期待を込めて厳しめの評価。



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