イラン発のトリオによる1st。出自を問わぬ刺激的なピース、それらを貪欲に取り込み吸収し、少なからぬ泥臭さや荒んだ気配と共にしなだれかかるPOST METAL。
かなりの殺傷性を放つメタリカルなリフを基調とし、浮き上がる耽美なピアノライン、邪なサンプリング・ヴォイス、幻惑する旋律や呪術的なヴェールが扇情の音を添える。古のProg/Metal勢からの影響は各所で顕著だが、中でもCYNICのフューチャリスティックな空気感は全編において色濃い。陽炎めいて傾ぐ景色と、中から兇暴に咲き出でるギター・リフが刺激的なことこの上ない。時折噛まされるジャジーなフレージングも、また別方面から盛んに昂揚を煽り立てる。
同じく過去のバンドからの影響を公言するにしても、こうした(ROCKの)第三国的な場所から出る奴らのほうが、よりその取り込み具合にセンスを感じることが多いのは何故だろう。至極、素直に音に乗せてくる。妙な気取りや衒いが無い。だからか、異常に燃えるのは。ベストトラックはTr.5"ObZeZZionZ"。物憂げに佇む冒頭部から、ゴシックなSEに飾られたメタリカル・ギターが咲き乱れる。ジャズとクラシック、スラッシュ・メタルを滑らかに行き来し繰り返し襲い掛かる轟爆音に燃えぬ奴などおるか！？素晴らしい。
http://www.myspace.com/poeticdizeaze