PAIK/Satin Black

★★★☆

デトロイトの3ピース、Paikの4thアルバム。ダークでサイケデリックなスペースロックが鳴り響く。壁を一枚隔てたその向こう側で鳴っているかのように聴こえる、幾分くぐもった感のする轟音ギターとフィードバックノイズの砂嵐。それとは対照的に、妙に生々しい音を打ち出すドラミング。

MONOが経営するHuman Highwayレコーズと契約しているバンドの中では珍しく、メロディーの起伏は控えめ。それだけにお手軽な展開と瞬間的な盛り上がりを期待して臨むと肩透かしを食らう。しかしその分、延々とループする音圧の洪水と自分の身体がシンクロした瞬間に訪れる昂揚感はかなりのもの。1,2分の試聴ではダメ。このバンドの真価はライブでの強烈な音圧の中でしか計ることができないな、とも思わせる作品。