米国アリゾナ州の6人組による08年作3rd。ハードコア通過後の轟音ポストメタル、、、っちゅうかほとんどENVYでしたこの爆音は。
のっけからキラめくギターを惜しみなく降り注がせるオープナーが好印象。さも意味ありげな「深淵」を描くわけでなく、一息にツカみ、確実にアゲてくる巧さが光る。そんなナチュラル・ハイな音像へカウンター的にブチ込まれる轟音パート。全景を転覆させる豪腕仕様の爆裂アンサンブル。圧巻のラウドネスで脳味噌を揺さぶり続ける轟音は、なんというかもう、理屈抜きにキモチイイのだ。完璧なグロウルで吼えまくる野獣系のヴォーカルは終始喧しく「動」のパートを演り続け、炸裂のたびにアタマん中がクリアになっていく爆音を供に、めちゃんこオープンな絶景で取り巻いていく。
その捻転する轟音模様は「この大いなる苦悩に充ちた世界でもがき苦しむ人間の絶望的な悲しみと、しかしその絶望の中にこそ見出される光、救済」を描くようなウザったらしさの無いENVY、といった按配で、巨大な音塊にブン殴られるアッパーな昂揚感のみが全面に打ち出されている。そうなるともう、あとはリフのカッコ良さや波状で畳み掛けるメタリカルな直情展開に全てがかかってくるわけだが、正直、その辺が突き抜け切れてないのが惜しかった。たとえどっかからのモロパクであろうが構わんので、一撃必殺のメタル・リフがあと一段階↑へと全景を持ち上げる瞬間なんてのがあれば、たぶん絶賛しちゃったと思う。
http://www.myspace.com/north