NIGHTFIST/The Epic

★★★★

 今回はいつものレビューから少し趣向を変え、アルバム未発ながらも非常にこれからが楽しみな2組のインストゥルメンタルバンドを2日連続で紹介。

 まず一組目はカリフォルニア州Menlo Parkの5人組、Nightfist。メンバーは全員「まだ酒も飲めない年齢」とのことなので、おそらく10代。"Yes"や"Dream Theater"、"Metallica"を引き合いに出される、最近ではちょっと珍しいタイプのバンド。シンセの音色とともに大仰なナレーションが流れるTr.1"The Prologue"と、バッキバキのへヴィリフが刻み込まれるTr.2"Chapter 1"により導入される今作は、続くTr.3でバンドの持つ真の過剰性を露わにする。メタリックな高速リフと乱射されるマシンガンドラム、それを一掃するように流れる、オペラティックでメロメロにドラマティックなキーボードの音色、繰り返し訪れる転調と、時代感覚全く無視のソロギターのフレーズ、、、

 これは聴く人によって完全に好き嫌いの別れるサウンドだろう。特に全編を彩るキーボードの音色は、良く言えば「硬質な楽曲に抜群の色香と広がりを与えるアクセント」だが、悪く言えば「安っぽいアニメソングのような稚拙な響き」とも捉えられる。現に自分も最初聴いた時は、そのあまりのストレートさに一瞬引きかけたものの、気づけばこのベタベタの世界にハマっていた。何より自分たちの好きな音を臆すことなく演っているバンドの姿勢に好感。リリースはTemporary Residenceから。気になる人は一度聴いてみてください。踏絵的な1曲をリンクしておきます。笑

http://music.download.com/nightfist/3600-8667_32-100047637.html