この、春めいた感傷が吹き抜ける感覚はいつだって悪くない。
結成から20年を迎えるUSのベテラン3ピースによる6thアルバム。弾むようにドライヴするギター、心地よいヴォリュームでアップダウンするリズム、そして甘やかな昂揚を振りまき駆け抜けるメロディラインの珠玉。
変哲もない、と言えなくもない構成ながら、しかしその等身大のロック・チューンには、確実なステップで飛翔する普遍的な昂揚が息づいている。自分にとってこのビター・スウィートな感傷を伴った蒼いギター・ロックには、かつてTFCがかき鳴らしていたそれを聴いた時とまるで変わらない、ある種特別で幸せな昂揚と、音楽という名の喜びを感じるのだ。
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