テキサス州オースティンの６人組ポストロックバンド、My Educationの2ndフル。クリアディレイ、ファズギターとヴィオラ、ピアノを絡ませながら組み立てられる楽曲群の構成は、どれも非常に正統的なアプローチのものながら、その幻想的なベールをまとった音の濁流は非常に心地良く、刺激的に響き渡る。
ノスタルジックな音糸を紡ぎ出す煌びやかなギターフレーズと、対を成しながらたゆたうヴィオラの低域が見事に絡み合い、終盤で壮大なファズギターの濁流に飲み込まれるTr.2"Plans
A Through B"を含め、意識を半覚醒下の昂揚へと導く楽曲はどれも秀逸。中でも素晴らしいのがTr.3"Thanksgiving"。霞がかった東欧の街並み、そんな光景を脳裏に喚起する厳かな弦楽器群が螺旋を描きながら上昇し、その高まった情感の極地で神々しく鳴り響く鍵盤の音色は、眩暈のするような光を眼前一杯に拡散させる。
MogwaiやEITSが好きな人は間違いなく気に入るであろうサウンドだが、金管楽器と打楽器、弦楽器を絶妙に絡み合わせながら生み出されるドラマチックで美しい音像群は、独自の世界を持っていると言える。久々にこの手のバンドで「レビューを書きたい！」と思わされた良作。
http://web.austin.utexas.edu/jamesa/myeducation/media.html