MUTEMATH/Armistice

★★★★

デビュー盤が結構な数のヒトビトの口の端に上っていたUS/ニューオーリンズの若手4人組による2ndアルバム。例によってそのデビュー作は未聴、、、なので比較は出来んが今作、たいへんに「踊り続けられる」ツボを押さえたサウンドがかなりグー。

単に表面的な「イマ」っぽさを追った「ダンサンブル」なサウンドなら3秒でポイだが、今作からは十分に練られ「重ね」られたピースの積算で「軽み」を描くような、絶妙な巧さとセンスを感じる、、、というのは実は後付でコネくりまわした表現で、リスニング中の直感覚としては「うぉ!なんかイロっ気のあるロックだ。しかもリズムがかなりイイ!」といったところかしら。

パーカッシヴに打たれるドラムを下敷きに、鮮やかな表情で転じるギター/エレクトロニカが添えられて、楽曲毎に軽やかに、あるいは重くウネリの効いたグルーヴを鳴らす。そのグルーヴをイロづける歌/メロディに対しては「ソウルフル/ファンキー」といった形容も浮かぶけど、良い意味でクド過ぎないニュアンスが逆にインスト陣の良さを引き立てているようにも思う。個人的には「ファンク!」なリズム隊がご機嫌に昇降するタイトルトラック"Armistice"周辺がハイライト。始終にわたって知的にコントロールされた枠組に対して若干の物足りなさは感じるものの、例えば(ちょっと毛色は違うが)Toploaderの1stみたく、何年かのちにもちょくちょく引っ張り出して「聴きたくなる」色気と雰囲気のある好盤だと思う。ヘタすりゃ聴かずにスルーしてただろう位置づけのバンドだったのを、上手くコチラの網に引っかけてくれた杜塚さんのレビューにいつもながら感謝デス。

http://www.myspace.com/mutemath