THE MOONEY SUZUKI/Electric Sweat

★★★☆

NYの4人組ガレージバンド、ムーニースズキの2nd。「電気汗」というナイスな邦題がついたこのアルバムは、ブルーズ/モッズ/ガレージパンクといった要素を内包しながら、まさにライブでのメンバーの汗が飛び散る光景が目に浮かぶような、のっけから最後まで超ハイテンションで突っ走る痛快なロックンロールアルバム。

タイトルトラックの"Electric Sweat"は、リズム/リードの2本のギターが競い合うようにブイブイとうなりをあげて加速していき、そのままの勢いで突入する"In A Young Man's Mind"で小気味良く鳴らされるドラムのビートとともにさらに加速。"A Little Bit Of Love"や"Natural Fact"は懐メロのようななんとなく懐かしさを感じさせるメロディーながら、そこに絡むボーカルはあくまでもハイテンション。キーボードがフィーチャーされたモッズテイストのインストナンバー"It's Showtime PT2"なんかは、一緒に売り出された感のあるCato Salsa Experienceのアルバムに入っていそうなグルーヴィーナンバー。

とにかくテンションが高い。しかも無理やりって感じではなくて、メンバーが演奏を本当に楽しんでる感じがする。だから聴いてるこっちもなんか最高にハッピーな気分になれますね。ベストトラックはTr.8、"I Woke Up This Mornin'"。

THE MOONEY SUZUKI/Alive & Amplified

★★★★

N.Yの超ハイテンションバンド、ムーニー・スズキの3rdアルバム。汗臭く、泥臭く、生々しいガレージロックがかき鳴らされていた前作に対し、今作ではAvril LavigneやBritney Spearsを手がけた「Team Matrix」をプロデューサーに据え、相変わらずのムーニー流猪突猛進ロックンロール街道を爆進しつつも、スマートにアレンジされた曲群から「今っぽさ」が感じられる仕上がりになっている。

上記のようなアーティストを手がけたプロデューサーが付いたと聞くと、それだけで敬遠する人も多いだかもしれない(たぶん自分も事前に情報として入っていたら買わなかったかも。。)が、今作に関しては成功だったのでは!?と個人的には思う。The Strokesより長いキャリアを誇りながら、「ストロークス以降」のガレージロックバンドの一つとして扱われることに腹を据えかねたのか、今作ではキーボードが大々的にフューチャーされ、縦横無尽に駆けめぐるギターソロはさらに過熱、究めつけにゴスペルばりのコーラスまで随所で登場するなど、過剰の2乗、ストイックさとは無縁の狂騒曲に埋め尽くされている。しかしながらホントにカッコ良い。この人達ってホントに馬鹿っぽいけど、音に関して実は物凄く深く考えてそうだし、何よりそのソングライティング能力はホンモノ。最高にキャッチ-なメロと抜群の疾走感、加えて暑苦しいグルーヴ感とファンクネス、これが絶妙にブレンドされた本作、かなり良いです。至る所で登場するギターソロのフレーズも最高。音の端々から「あぁ、ツェッペリン好きなんだなぁ」と思わせる瞬間もチラホラ。あんまり評判は芳しくないようだけど、個人的にはかなりお気に入りの作品です。



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