MILE/Driving Under Stars

★★★☆

ドイツのMilesは結構有名ですが、こちらはアメリカはフロリダ産の5人組、Mileのデビューアルバム。「アメリカのインディーバンドがOasisを目指した音」と言ってしまうと身も蓋もないけれど、アメリカのインディーシーンで揉まれてきただけあって、純粋に良い曲を生み出すことのできる実力を持ったバンドです。

1曲目の"Back To The Floor"から、Oasisならばリアムとノエルが歌い分けるであろう幅のあるパートを一人で歌うボーカルのNoel(ややこしくてすいません、このバンドのボーカルの名前もNoel。笑)の、わざと語尾をゴニョって歌う歌唱法は、かなり意識してます。アメリカの広大な大地を連想させるゆったりとしたメロディーは、70年代ロックの雰囲気も感じさせる、まさしく王道ロックといった感じで、初めて聴いても2メロではもう一緒に歌えるような、シンプルかつ普遍的なものになっている。Travisの"Turn"ばりの叙情系ギターサウンドがかき鳴らされる"Until You See Clearly"や、エコーがかったVoと深みのあるバンドサウンドが、言い様の無い心地良さを与える"See Through"などなど、とにかくただの物真似バンドと切り捨ててしまうには勿体無い、おっさんになってもずっと聴いていけるような、味わいのあるアルバムになっています。新しものばかり探している人(自分ですが)、たまにはこういう音も良いですよ。



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