THE MELVINS/Stoner Witch

★★★☆

地下世界に君臨する巨人?メルヴィンズの94年リリース作。最近好んで聴いている、中重量級ハードコア畑の作品のレビュー中に、必ずと言っていいほど名が上がるこのメルヴィンズ。カート・コヴァーンが崇拝していたというサウンドは、グランジのみならず各方面に多大な影響を及ぼしている、らしい。

やたら作品が多いので、どっから聴くか迷った挙句選んだこの1枚。猛烈怒涛のアグレッションに昂ぶるパートがある反面、ひたすら重く沈滞する場面が全体の半分以上を占めるため、作品トータルとしての印象は少しダルい。このダルいのがいいんだ、って話もありそうだが、ストーナーのズブズブな気色の良さとはまた微妙に違う感のする、潜り込みにくいダルさ。

とりあえずTr.3〜5にかけては最強。メタル/ヘヴィ・ロックの装甲を剥き出しに掴みかかる剛腕サウンド。整然とカオスを刻む屈強な音の律動は、大変暴力的で凄みがある。攀じれたギター/ゴリゴリに弾むベースも格好良いが、このバンドはドラムがスゲー。高圧力のバスドラも、引き締まった硬質タムのローリングも、インパクトありまくり。

前半戦かなり燃えるんだが、Tr.6から一気にダルい。無駄に長い(としか個人的には思えん)アブストラクトな音模様は、爆発部のオカズと見るには過多。初っ端に聴く作品へ求めるインパクトとは、少しく乖離した展開でありました。次はどれを聴こうかしら。お奨めあれば教示ください。

http://www.myspace.com/themelvins