鍵盤/ドラムスで爆裂グルーヴを醸成するBenevent Russo Duoの片割れ、マルコ・ベネヴェントが別編成の3ピースで録ったデビュー盤。鍵盤/ベース/ドラムスという組み合わせは個人的な大好物。んでもって、予測していたファンキッシュなグルーヴとはまた違い、食いつき易く消化にも良いポストロック的側面を多分に打ち出した好盤になっている。
直近2作のMogwai好きなら、ガッツリ掴まれ持っていかれそうなピアノ・メロディ主眼の冒頭2曲。特に1曲目、深くディストートされたベースラインを下敷きに、バンジョー織り交ぜたアンサンブルが昇り昇るその先で、豪快な鍵盤が華麗に咲き誇るドラマに酔う。一方で、エレクトリックなピアノがカラフルな旋律を撒き散らし音数の多いベースが飛礫のように弾けるTr.3"Atari"なんかはさながらdeerhoof。
しっとりジャジーなピアノ・ラインが美しく崩落していく"You Must Be A
Lion"、"Ruby"みたいなスタンダード・ナンバーも織り交ぜながら、最後の"Are
You The Favoryte Person"では再びドラマテイックなピアノの昂ぶりに乗せ、ポストロッキンな叙情の高揚を描き出している。感性的にはとっつき易いインストロックで、そこへ余裕の技術面が遊び心として上手く介入してる、そんな感じの良盤。
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