LOWER/The Gentle Art Of Conditioning

★★★★

中古CD屋で、目玉を差し出すグロテスクなジャケに目を惹かれ、裏ジャケを見ると、いかにも自分が好きそうな音を演ってそうな雰囲気を放つメンバーの写真が載っていたので購入。

Lowerはマンチェスターを拠点とする5人組。1曲目の"The World Spins"から、バリバリのUKロックサウンドが登場。取り立てて言うべき新しさは無いものの、Tr.1の他にTr.4でも現れる、Stone RosesばりにグルーヴィーなベースとLongpigsがかき鳴らしていたような、感情爆発系のギターがむちゃくちゃカッコ良い。ボーカルの声も含めて、UK大物バンドの中ではmanicsに一番近いかも。Tr.2なんてモロにmanics(なのにこの曲の歌詞で、「二番手に甘んじるなら死んだほうがマシだ」と歌っているのは彼らなりのユーモアなのか!?)。他にもシャーラタンズ的な跳躍力のある「軽さ」を感じさせる"Sick Or Swim"や、bends期のレディへに展開がそっくりな"In Semiconcious"などなど、UKを感じさせるサウンドが随所に見れる。ひねくれ者の私は、こういった「〇〇風な」というふうに紹介されるだけのバンドはあまり興味がなかったりするのだが、Lowerに関してはなぜかそれがないのは、たぶん各曲のクオリティーが物凄く高いからだろう。自分と同じようにひねくれ者のUK好きな人、このアルバムはよく中古屋で安く売ってたりするので手にとって見ても良いかも!?

かなりの才能を持ったバンドなだけに、今後大きくなる可能性も十分に孕んでいると思ったんですが、もう5年以上も音沙汰がないのを見ると、おそらく解散してしまったっぽいですね。01年あたりにデビューしてたらまた違ったかも(UKギターロックの救世主とか言われて。笑)



back