LEBANON/Sunken City

★★★☆

イスラエルはテルアビブ発の4人組によるデビュー・フル。クリアギターのリフレインからバーストへと雪崩れ込むその音像は、また来たか!なソレですが、やはり気持ち良いもんは良い!ということでご紹介。

全体の雰囲気としては2nd期のEITSにとても近い。混沌の渦中に射しこむ一筋の光、希望。そんなクサイ科白を思わず言ってしまいたくなるように、この人たちもまた非常に美しい轟音をかき鳴らしていく。旋回する高音のクリアギターと、立ち込める爆音による至福の洗礼。Mogwai、EITS、そしてGY!BEといった先達からその音の肝をしっかりと盗み鳴らされる楽曲は、真新しさこそ無いものの、どれも非常に高い昂揚をもたらし炸裂していく。

全9曲から成るアルバムは、前半部にこそ少し鈍重な感も在る。しかししかし、高らかに蹴り上げられるバスドラにより驀進を始めるTr.5"Bycycle"から、音は一気に上昇気流へ。胸を抉り取るメロディアスなギターリフが崩落するドラマチックなTr.6"In The Ether"、ヘブライ語(?)で紡がれるワーズの哀愁と、半ば神経症的なまでに繰り返し叩きつけられる爆音の対比が美しいTr.8"Angst Undone"へと連なる展開は、かなり良い。

もはやポストでもなんでも無くなったこうしたサウンドだからこそ、何か胸を打つものを持ったバンドはその中で光る。さらにmyspaceを聴くだに、実は他にも色々と引き出しを持っていそうな感もする。これからがなかなかに楽しみなバンドだ。

http://www.myspace.com/lebanonband