LAURA/Radio Swan Is Down

★★★☆

豪州の6人組ポストロックバンドによる1st。のっけから繰り広げられる、焦燥を駆るヴァイオリンを交えた荒んだ情景の瓦解はGY!BE。続く"Is There No Help〜"ではさらに其処へ初期Mogwaiばりのダイナミズムも注入してのカタルシスを献上。Sigur Rosばりの天上エモーションに、OZらしく広大なランドを連想させる有機のアンサンブルを被せる"Canbridge Bypass"、かのバンドの代名詞(?)と思しきマーチングドラムから高らかに飛翔するベストトラック"Numbers Stations"に、めくるめく叙情の轟音が繰り返し打ち寄せるSaxon Shore型の"Every Light"まで、スタンダードだが良質な轟音ポストロックを其処彼処で見事に炸裂させる。

最近この手のジャンルに関しては、オリジナリティの有無はほとんど気にならなくなってきた。先達様式の在るや否やはさして関係なく、単純に「展開のキモチヨサ」「轟音部のカタルシス度合い」が好き嫌いの物差しになる。そういう意味ではこのローラ、上述のナンバーはかなり高得点。感情の移入を助ける物語性/炸裂する轟音部の煽情性ともに良い感じ。

贅沢を言えば、怒涛の前半部に比して、よりダークな側面を打ち出した最重量級のラストへ至るまでの中後半部がやや鈍い。長さのわりに明確なインパクトを欠く周辺楽曲は、作品の「物語性」を高めるってよりは、まだ単なるツナギに聴こえてしまう。とは言え土台の部分にしっかりしたモノを感じるバンドなので、続けるほどに良い楽曲は増えてきそう。とりあえずライブは行くつもり。

http://www.myspace.com/Laura