LA IRA DE DIOS/Cosmos Kaos Destruccion

ペルーの首都/リマ発の爆音トリオによる3rd。タイトルからして馬鹿丸出し(失礼)だが、ムキ出しで叩きつけられるファットな音塊に、壮快な興奮を覚える好盤。

3分台の楽曲を中心に、頭とお尻を長尺トラックで挟み込む全8曲43分。ブリブリに歪んだリフが爆走し、肉厚のドラムがボボボボンッとはじけ飛ぶ。サイケデリック・ガレージ、パンク、スペースロックにへヴィ・メタルまでを抱き込んで転回するサウンドは、重く激しくありながらも、どこか間の抜けた開放感を併せ持って聴こえるのは何故だろう！？

ディレイのかけ過ぎで英語ともスペイン語とも取れる言語を撒き散らすヴォーカルが自他共に煽動して驀進。重厚なロールから直線的な行軍リフへと切り替わる転換のダイナミズムや、時としてその巨躯を『Cosmos Kaos』へと投げ入れ遊ぶ酩酊感など、奇を衒わないだけにその基礎体力の高さをマジマジと実感させるような爆音が連ねられる。ラストで13分超に渡って繰り広げられる"Jamas Morire"のメロディックなフレーズなんて、涎が出そうなぐらいにカッコイイ！後半にかけて耳に突き刺さるファズの喧しさが増してくトリッピィさも良いですな。

ムムム！ただの馬鹿にはこんな芸当は出来んかも！？と思ったりしたのも束の間、己のサウンドタイプ欄に"MAXIMOVOLUMENROCKNROLL"と書いてあり、あぁやっぱり馬鹿だと思い嬉しくなった。これ以前の作品も聴いてみたいです。