KINGS OF LEON/Youth & Young Manhood

★★★★

Kings Of Leonは、テネシー出身のネイサン(Dr、BV)、ケイレヴ(Vo、G)、ジャレド(B)の3兄弟と、従兄のマシュー(G)から成るファミリーロックンロールバンド。70年代からタイムスリップしてきたかのような、なんとなくもっさりとした外見そのままに、音のほうもスタイリッシュという言葉とは無縁の、初期衝動をそのままに突き進むような原初的とも言えるロックサウンドを鳴らしている。

ケイレヴの声はブルージーで、泥くさい渋さを感じさせるクセのあるものながら、Kings Of Leonの奏でる曲はどれもThe Bandなんかを引き合いに出したくなるような、極めてシンプルでどこか懐かしい感じを思わせるメロディーが印象的なサザンロック。どことなく牧歌的な懐かしいメロディーによるところもあるのか、他のガレージバンドと比べるとどの曲も出だしの印象はかなり軽い感じを受けるというか、あまり攻撃的な雰囲気がしないが、曲が進むにしたがってバンドのストイックとも言えるタイトな演奏は次第に熱を帯びていき、気が付くと混沌とした渦の中に叩き込まれたように、体の芯から興奮を覚えている自分がいる。

山のように出てきたガレージバンドと比べると明らかに表面的な派手さは無いはずなのに、なんでキングスオブレオンの音がこんなに熱く響くのかはハッキリ言ってよく分からないわけですが、それはたぶんこの4人がマジだから。計算感情なんか一切無しで自分たちが演りたいことを確信を持ってやってしまったストロークスがそうだったように、こういった純粋性は聴き手の心にダイレクトに訴えかける強さを持ってます。今後とてつもなく大きく成長する可能性を秘めたバンドのように思います。



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