KILLING THE DREAM/Fractures

★★★★

既に2度の来日を果たしているUSサクラメントのカオティック・ハードコアバンドによる2ndフル。"成分の100%は初期衝動で出来ています"とでも明記されていそうな激情型ヴォーカルと、直情的な旋律でコ・レ・デ・モ・カ!と掻き立てるインスト・パートが合算する蒼き轟音。血管捻じ切れまくりのハイテンション・カオスにひたすら塗れてアジられよ!という20分間に躍るは必至。

吐き捨てるような罵声とメロディックな絶叫とを上下動し突っ込んでくるVo./Elijah Hornerの声がな、なんて熱いんだ!競り上がる怒号/狂乱/熱情が渦巻く褐色の弾幕を主旋律に、感情を直激する高域ギター・リフの熱風が後ろからバンッバンと煽り立てる。Tr.5"Consequence"なんてマジ熱すぎて素晴らしいのだが、バラバラにさ乱れる言葉と音響、リズムがある一瞬間に同一点へと収斂、モロともに炸裂するダイナミックで暴力的な昂揚感にグデングデンにされる瞬間が数え切れないほど立ち現れる。

本作ではJ.Robbinsがプロデュースを手がけているが、2ndにはCONVERGEのKurtが携わっているそうで、ハマること間違いなしのソチラも近々聴いてみるわ絶対に。

In Place Apart

★★★★

先に2ndの感想を載っけた、USサクラメントのハードコア・バンドによるコチラ05年発のデビューフル。のっけから暴発する巨大なギターのサウンド・ウォール。メロディックなアゲ/落としより何より、衝動の発露にこそ全力を傾けた爆音が熱い!熱風のように吹き荒れ辺りをぶちコワす轟々たるプリミティヴィティが、全編を覆い尽くして暴れまくっちょる。

叙情を語るのはギター/ベースの旋律のみ。膨れ上がった怒号のようなアンサンブル中に、昂ぶる叙情を溶け込ませるKurt Ballouのプロダクションはいつもながらに素晴らしく、そこに信を置いたヴォーカルは、あとはただひたすらに野獣めいた咆哮を上げ続けて煽り、煽る。絶叫する爆音が渾然としてウネリ立つ、そんなこのバンドの最大の魅力がダイレクトに発揮される"We're All Dead Ends"から、ボンバスティックに炸裂するリズムに殺される"Ante Up "辺りで昂揚は臨界点。そっからは重さから速度へとシフトを切り替え、ラストまで爆走して終結。いや、スゲー。めちゃくちゃカッコ良い。

http://www.myspace.com/killingthedream