JANE'S ADDICTION/Ritual De lo Habitual

★★★★☆

インディーズから出たライブ盤、メジャーデビューアルバムに続く3枚目の作品。このアルバムを聴いた時、ツェッペリンを初めて聴いた時と同じぐらい興奮したのを覚えています。それまでVoペリー・ファレルの名前は「ロラパルーザ」を立ち上げた人だというぐらいの認識しかなかったわけですが、これほど聴かず嫌いを後悔したアルバムも珍しいです。

デイヴ・ナヴァロのギターを始めとして、ドラム/ベースが生み出す強靭かつ変幻自在のリズムにファンク的な軽さが加わったサウンドは、強烈な破壊力と同時に体を突き動かすグルーヴ感も満点。なんというかもうただただ「凄い」としか言えないです。そしてその上をペリー・ファレルの超絶ボーカルが飛び交います。「ペリー・ファレルはイッテいる」とあちこちで書かれてますが、ほんとそんな感じ。なにか憑いているとしか思えない迫力があります。

内容のほうはというと、スペイン語での曲紹介から始まる"Stop"からの5曲は先に述べた骨太なグルーヴ感が爆発する疾走系ナンバー(Tr.4"Obvious"は緩めだけど)。かなりキャッチーなメロディと、呪術的で怪しげな雰囲気が随所で感じられるサウンド。圧巻はTr.6の"Three Days"。10分に及ぶこの大曲で幾度かの転調を経ながら撒き散らされる高揚感は物凄い。ドラムなんて「本当に一人で叩いてるのか!?」って思うぐらいの厚みと手数。その後も、ストリングスの響きとピアノの旋律が宗教的な美しさを感じさせる"Then She Said"など、全9曲に渡ってひたすら圧倒されます。オルタナとかミクスチャーとかそういったカテゴリで括りきれない魅力を持ったアルバム。



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